研修委員会セミナー「社員マンパワー向上研修」
9月13日、サシアの研修委員会主催で、研修会がありました。
「社員マンパワー向上研修」という、社員向けの研修会でした。
講師は、株式会社ブレイン・サプライの、岡弘己様でした。
1963/7/11大阪生まれ、関西学院大学商学部出身。
現在、経営コンサルタント。多くの会社様の人事労務に対する諸問題の相談に応じているとか。
セミナー内でお話にあったことは、大体以下にまとめられます。
◎第一部はCS(顧客満足度)について。
●まず、ベストを尽くせる人は、たとえ能力が劣っていても時がたてば成長してゆく。
●お客様がリピーターになるまでのプロセスは以下。
(1)システムが動かない、時間がかかる(問題発生)
(2)どの会社にお願いしようか(リサーチ)
(3)お願いする会社の決定(意思決定)
(4)契約締結(行動(アクション))
(5)優れた対応・優れた技術(安心)
(6)問題解決(満足)
(7)「この会社にお願いして良かった」(感動)
●IT企業は・スピード・対応力・スキルが命。IT企業の営業とはすなわちCSの向上を図ること。
★現代の日本をとりまく現状と課題
●国民の年収減少による購買力の抑制→良いものは売れる時代から、売る努力をしたものが勝つ時代へと変容。
●少子化の影響→顧客総数の減少対策として、コストパフォーマンスとタイムパフォーマンスを重視。
●商品の価値と質の関係→お客様から選択されるレベル(サービス・技術)の維持が最も重要。
●情報社会から知識社会へ→
情報化社会=顧客に情報がない状態⇒セールスが顧客を探す時代 から
知識社会 =顧客に情報がある状態⇒顧客がセールスを探す時代 へ変容
富を生み出す要素が変わった。「人、物、金」から「時間、空間、知識(情報)」へ
●企業のブランド価値の顕在化⇒企業価値・ブランド価値を全社員が共有し、お客様に発信する。
IT業界はすでに飽和状態化してきており、独自のブランドを早期に構築することが求められる。
★未来志向の組織に求められること
●IQからEQ、BQからCQへ
IQ(頭の知能指数)/EQ(心の知能指数)/BQ(仕事の知能指数)/CQ(接客の知能指数)
・旧態依然とした大企業はIQの高い人が多い
・スピードの時代はEQとBQが益々必要になる
・心の時代はCQが最重要となる
★CS(顧客満足)とES(社員満足)
●CSは、必要なサービス⇒魅力的なサービス⇒想定外のサービス⇒良い企業文化の醸成
”想定外の対応を意識する”
●ESは、お客様の感謝⇒お客様の感動⇒お客様の感激(共感・尊敬・驚き)⇒お客様への感謝⇒社員の遣り甲斐
活性化する仕組みにするためにCSとESを同時に実施を目指しましょう。
ありがとうの多い組織、家庭は繁栄する。
★商品開発の考え方
●社員の各個人の頭の中に入っているものを(1)抽出し、(2)形にし、(3)標準化し、(4)提供することでオリジナルな商品をタイムリーに数多く提供していきます。
●最高の商品は社員の「マインドとスキルとやる気」です。独自性を追求し、オリジナル商品・サービスの提供を心がけます。
●商品の持っている価値を高めるために、プレゼンテーションを重視し、商品の価値を下げない売り方を工夫していきます。お客様の感じる価値を引き上げることが会社の利益に直結します。
お客様の感じる価値 - 商品の価格 = お客様の利益
商品の価値 - 原価 = 会社の利益
★65~70歳定年制度下での生き残り対策
●実情として、今後10年以内に65歳定年となり、その後時を経ずに70歳定年に向かうことになります。
60歳定年⇒アマチュア意識でOK
65歳定年⇒セミ・プロ意識が必要
70歳定年⇒プロフェッショナル意識が不可欠
◎第二部
人事労務編
●労働の権利と義務
●1週40時間体制の本来の姿(給与の計算の話)
◎第三部
●国の保険は良い保険
社員が死去したときの保障に関してなどの話。
●今後の景気予測
⇒金を持っている45歳の人の人口と景気は同期する。今から4年後以降、景気は下がり続ける。
簡単にまとめましたが。
社員向けのセミナー故、給与や保証などにも話は及びましたが、
そのへんは社会労務士の方に聞けば分かる話なので、割愛しました。
感想として。
筆者としては、どちらかというと顧客満足度の話や社員満足度の話に興味を持ちました。
お客様をリピーターにするプロセスは、
筆者が商売のノウハウ本を読む限りでのエッセンスも含まれていて興味深かったです。
また、
>IT企業は・スピード・対応力・スキルが命。
ですが、そこを基盤レベルで確立すれば、競争力のある会社になれるかな、というところで参考にさせていただきたいと思えました。
また、話として顧客満足があるラインを越えると、社員満足にもつながっていくことにも関心があります。
我々エンジニアは比較的「お客様の喜んでいるところを見るのが嬉しい」という、
職人的な気質があると思います。
逆にそこまで徹底的にサービスやスキルを極めるようにすれば、
社員満足度もエスカレーションしたみたいに上がっていくかも知れません。
(そこにはスキルアップのための環境や報酬、時間なども必要になってきますが。でも必要な投資だと思います。)
商品開発の考え方も興味あります。
自分がよく考える(投資対効果として適切かはおいといて)お客様の感じる価値は、
時間や時間単価から割り出す金額で換算するやり方をします。
「この製品を買うことにより、時間がどれだけ節約できて、その結果どれだけ経費削減になるか」とか。
人によってはリスクヘッジの金額と見る方もいます。
「この金額損益をヘッジするために、この製品を買って安心を手に入れよう」とか。
意外とあれですね。
このへんのヒントって、マネジメント的な視点に立った時に出てくるかも知れませんね。
もちろんマネジメント以外にもヒントは転がっているかも知れませんが。
そうなると、マネジメントの知識体系PMBOKとかにも価値ある商品のヒントは転がっているかも知れませんね。
# 近いうち自分も読みなおそうっと。時間あるかなあ・・・?
その後、岡先生を交えての交流会がありました。
その中で、岡先生は面白いことをいくつか仰っておりました。
以下、いくつかの抜粋。
・運のいい人と付き合いなさい。人生は短い。運のいい人は、そうなるようなことを実践しているし一緒にいれば勉強になる。
・与えるものが与えられる。例えばニュースレターなどで情報を発信すれば、そこから新しい情報が寄ってくる。またそれを発信すればいい。それを続けていくうちに、仕事や相談ごとの話もやってくる。
・成功者に学びなさい。自分に似た成功者を探して、その人を調べるといいです。似た思考システムの人からだと得るものが多い。歴史書でも経営者でも偉人でも誰でもいい。
・人を一人雇うお金があったら、数人の専門家と顧問契約を結び知識を得ると効率がいいです。
・人生のピークをなるべく人生の後ろに持っていくといいです。私(岡先生)は80をピークに目指しています。
運のいい人の話は、松下電機創業者の松下幸之助さんの座右の銘であることを後に知りました。
確かに、運がいい人は運がよくなる何かを持っていると思います。それは先天性か後天性か分かりませんが。
自分が思っている限りで運が傾く人は、いかなるときでも自分の一本気を通せる人だと思っています。でももっと色々な運のいい人はいると思います。
逆に運に見放される人は、「けち」「ずるい」「うそつき」「汚い」などなどの人だと思います。こういう人に人のお金も寄っていかないと思いますし。
与えるものが与えられる、という話は大変同意できます。見方によっては投資的かも知れませんが、けっこう重要な話だと思います。だって与えない人には何も寄ってきませんから。
自分も与える行動として何かやってみたくなってきました。
岡先生のお話は含蓄深く、希望が出てくるものだったと思います。
岡先生、ありがとうございました。